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「金陵蝶恋」
Legenddoll / 2012-08-21

                                                                                              帰蝶    

    1通の手紙が彼女を異国へ飛び立ちたい夢を断ち切り、金陵(南京)の家へ連れ戻した。待ち受けていたのは家同士が取り決めた望まない結婚だった。どんな新しい思想の洗礼を受けていようと、彼女には運命から逃れるすべがなかった。妾腹生れの彼女は家の犠牲となり、飛び立つ羽をもがれ、再びしきたりの檻に囚われるしかなかった。

見目麗しい若君がどんなに優しく接しようとも、不器用に彼女の歓心に迎合しようとも、彼は古い帝国の名門という後光の庇護を受け、金銭と権勢で彼女に一生解き放てない枷をかけた元凶である。彼女は冷やかな態度と軽蔑する視線で彼をとらえた。

しかし彼女の予想を反し、彼が実家の蔵を開け戦乱に亡命を余儀なくした難民の救済を行い、学びの屋を失った子供たちのために義塾を創立し、すべては彼女の一瞬の微笑みを繋ぎ止めるために。自由への渇望の翼をもぎ取り、彼女を檻に閉じ込めたはずの彼をどうとらえれば良いのか、分らなくなっていた。

ある日、夫が使っている箱の中で大事に仕舞われた小包みを目にするまで???

幼いごろの記憶が蘇る。あの日、大人の影に隠れはにかむ美しい少年。彼女に殴られても一緒に家の外へ出て遊びたいと言ってきかない少年。彼女が処罰される時、肩を並べて一緒に罰を受けた少年。

これは運命の悪戯だろうか、それとも形は違うが結ばれるべき縁だろうか。例え、動乱に揺れ、世界が混乱に落ちいているさ中でも、時空を超え変わらない気持ちが彼女を待っていた。蝶は夢から覚めた様に、我が帰路を見出した